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飲食店のオペレーションマニュアルの作り方は?種類・項目・記載例を解説

飲食店のオペレーションマニュアルの作り方は?種類・項目・記載例を解説|飲食メディア

目次

飲食店のオペレーションマニュアルは、接客や調理、店舗運営などの手順やルールをまとめ、スタッフ間で共有するためのものです。

日々の業務では、こうした手順やルールを口頭で伝える場面もありますが、教える人によって説明する内容が変わったり、必要な注意点が伝わらなかったりする場合があります。

新人が入るたびに同じ説明を繰り返していると、指導者の負担を減らしたいと感じる方もいるかもしれません。

そこで、マニュアルに作業の手順や判断基準を記載しておけば、教える側も教わる側も同じ内容を確認でき、指導内容をそろえる際に役立ちます。

この記事では、飲食店のオーナーや店長の方に向けて、オペレーションマニュアルの種類と記載項目、作り方、接客やチェックリストの記載例、現場で活用するためのポイントを解説します。

飲食店のオペレーションとは?主な業務と役割

飲み物を提供する飲食店スタッフ

飲食店のオペレーションとは、調理や接客、仕入れ、売上管理など、店舗を運営するための一連の業務や手順を指す言葉です。

主な業務は、キッチン、ホール、店舗運営の管理業務に分けられます。

キッチンの主な業務は、仕込みや調理、食材や器具の衛生管理です。

ホールは、入店時の案内から注文、配膳、会計、お見送りまで、お客様への対応を担当します。

店舗運営の管理業務は、食材の仕入れや在庫の確認、売上の管理など、日々の営業を支える仕事です。

これらの業務は互いにつながっており、仕込みが遅れると料理の提供に時間がかかったり、品切れの共有が遅れると提供できない料理の注文を受けたりする場合があります。

そのため、担当ごとの作業手順だけでなく、キッチンとホールの間で何をいつ伝えるかなど、連絡方法も決めておきましょう。

飲食店にオペレーションマニュアルが必要な理由

案内する飲食店スタッフ

オペレーションマニュアルは、接客や料理の品質をそろえ、教育の負担を減らし、特定のスタッフへの依存を防ぐために役立ちます。

たとえば、料理の分量や盛り付け写真、注文を受ける際の確認項目を記載しておけば、スタッフが共通の基準を確認しながら作業できます。

新人教育でも、教わった内容を後から読み返せるため、メモや記憶だけに頼らず手順を確かめられるのがメリットです。

指導する側も、毎回すべてを口頭で説明するのではなく、マニュアルを使いながら、実演や補足が必要な作業に時間を使えます。

また、発注やレジ締めなどの手順を担当者だけが把握していると、その人が不在の際に、ほかのスタッフが対応できない場合もあるかもしれません。

手順や注意点、判断に迷った際の確認先を残しておけば、代わりのスタッフへの説明や引き継ぎにも活用できます。

飲食店に必要なマニュアルの種類と記載項目

確認用端末を持つ飲食店スタッフ

飲食店のマニュアルに記載する内容は、接客や調理の手順から、店舗運営のルール、トラブル時の対応などさまざまです。

接客、キッチン、店舗運営、トラブル対応の4種類に分け、それぞれに記載する項目を紹介します。

接客(ホール)のマニュアル

接客マニュアルには、お出迎えから席への案内、注文、配膳、食器の片付け、会計、お見送りまで、自店の接客の流れに沿って、場面ごとの対応手順を記載します。

身だしなみや言葉遣い、基本の挨拶、繁忙時に優先する業務なども共有しておきたい項目です。

注文や配膳が重なった際の役割分担、手が足りないときに応援を頼む相手なども記載しておけば、忙しい時間帯の動き方を共有する際に役立ちます。

また、接客の姿勢を抽象的に説明するだけでなく、注文を受けたら内容を復唱する、配膳前に伝票と料理を照合するなど、スタッフが実践する動作を具体的に示しましょう。

キッチン(調理・衛生管理)のマニュアル

キッチンのマニュアルには、仕込みや調理の手順と、衛生管理のルールを記載します。

料理ごとの食材の分量、加熱方法、盛り付けに加え、仕込み量を決める基準なども共有しておきます。

盛り付けの完成写真や使用する器具を示し、担当者が変わっても同じ手順で調理できるようにしましょう。

衛生管理では、食材の保管方法や期限の確認、手洗い、器具の洗浄や消毒など、実施するタイミングと具体的な方法をまとめます。

2021年6月1日から、原則すべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理が求められており、飲食店では、手引書を参考に衛生管理計画を作成し、実施状況の記録や保存、定期的な見直しをおこなう必要があります。

マニュアルにも、この計画に沿った作業手順や記録方法を反映し、スタッフに周知してください。

衛生管理の基準を満たしていない場合や、食材や設備に異常が見つかった場合の対応方法、責任者への報告手順も記載しておきましょう。

店舗運営のマニュアル(開店・閉店・清掃・レジ・電話対応)

店舗運営マニュアルには、開店や閉店の作業、清掃、レジ精算、現金管理、電話対応など、日々の営業を支える業務の手順を記載します。

開店前の釣り銭や備品の準備、閉店時のレジ締め、火元の確認や施錠などが主な内容です。

毎日おこなう作業は、実施する順番に沿ってチェックリストにまとめ、実施日時と担当者を記録する欄を設けましょう。

店内やトイレなどの清掃は、担当者と実施するタイミング、清掃範囲や使用する道具を示すと、作業内容を共有できます。

電話対応では、予約の日時や人数、連絡先などの確認項目に加え、受けた予約をどこに記録し、誰に共有するかを記載します。

その場で回答できない問い合わせなども、確認する相手や折り返しの連絡方法を決めておいてください。

トラブル対応のマニュアル(クレーム・カスハラ・緊急時)

トラブル対応マニュアルには、問題が起きた際の対処方法と、責任者への報告や引き継ぎの手順を記載します。

クレームや予約の重複、食材不足、急な欠勤、設備の故障、災害などが主な対象です。

返金や商品の交換を誰が判断するか、責任者が不在の場合は誰に連絡するかなど、トラブルごとに対応の流れを決めておきましょう。

火災や地震などの緊急時は、避難経路、お客様を誘導する担当者、消防などへの連絡方法も記載します。

クレーム対応では、お客様の申し出を聞き、事実関係を確認したうえで責任者に報告するなど、初めに取る行動を具体的に記載しましょう。

一方、暴言や過度な要求などのカスタマーハラスメントには、スタッフの安全を守るための対応が必要です。

スタッフが1人で対応を続けないよう、責任者に引き継ぐ基準や、対応を中断して安全を確保する手順も定めてください。

飲食店のオペレーションマニュアルを作る4つの手順

確認事項をメモする手元

マニュアルを作る際は、目的と対象者を決めてから、業務の洗い出しや手順の記載を進めます。

作成の準備から、スタッフによる内容の確認や配布の流れを、4つの手順で解説します。

STEP1:目的と作成担当者を決める

最初に、新人教育にかかる時間の短縮、サービス品質の統一、トラブル防止など、マニュアルを作る目的を決めましょう。

新人教育の負担を減らすなら繰り返し説明している作業、品質をそろえるなら調理や接客の基準など、目的によって優先して記載する内容が変わります。

次に、利用するスタッフの担当業務や経験を確認してください。

新人向けなら用語や基本動作から説明し、経験者向けなら判断基準や注意点を中心にするなど、読む人に合わせて説明の詳しさを調整します。

作成担当者には対象の業務を把握しているスタッフを選び、店長など、内容を確認する責任者も決めておきましょう。

STEP2:業務を洗い出して完了の基準を決める

マニュアルに記載する業務を、開店準備、営業中、閉店作業などの時間帯に沿って書き出します。

日常的な業務に加え、定期清掃や棚卸しなど、毎日はおこなわない業務も確認しましょう。

作業の抜けを防ぐため、各業務の担当スタッフにも内容を確認してもらってください。

業務を書き出したら、それぞれ何をどこまでおこなえば完了とするかを決めます。

清掃なら対象箇所に汚れが残っていないか、レジ締めなら現金と売上記録を照合し、差額がある場合は報告が済んでいるかなど、作業の終了時に確認する内容を具体的にしましょう。

完了の基準は、実際の作業手順を担当スタッフに聞きながら決めると、現場の運用に合った内容にできます。

STEP3:数字・写真・チェックリストで具体的に書く

丁寧に作業する、適量を使うなどの曖昧な説明を避け、何をどのようにおこなうかを具体的に書きましょう。

たとえば、1人分のソース30mLを計量カップで量るなどの形で、対象と分量、使う器具を記載します。

数値は、自店のレシピや衛生管理計画で定めた基準に合わせてください。

盛り付けの完成写真や器具の扱い方を示す動画を使い、文章だけでは伝わりにくい部分を補う方法もあります。

複数の確認事項がある作業は、チェックリストにすると、必要な項目を順番に確認できます。

専門用語には説明を付け、複数の動作を1文に詰め込まず、作業の順番に沿って手順を分けて記載しましょう。

STEP4:スタッフに確認してもらってから配布する

原案ができたら、業務に詳しいスタッフに、実際の作業手順との違いや記載漏れがないか確認してもらいましょう。

新人向けのマニュアルなら、新人にも読んでもらい、用語や説明を理解できるか、作業の順番が分かるかを確かめます。

可能な作業はマニュアルを見ながら試してもらい、説明が足りない箇所や判断に迷った箇所を修正してください。

修正後は、利用するスタッフ全員に配布し、保管場所や閲覧方法も伝えます。

新人研修では、配布するだけでなく、マニュアルに沿った実演や接客のロールプレイも組み合わせ、説明した内容を実践できるか確認しましょう。

飲食店のオペレーションマニュアルの記載例

厨房で考え込む飲食店スタッフ

マニュアルに記載する接客のセリフやチェック項目は、自店の接客方針や設備、作業手順に合わせた調整が必要です。

接客時の声かけと、開店前や閉店時、衛生管理のチェック項目の例を紹介します。

入店からお見送りまでの接客のセリフ例

以下は、場面ごとの接客のセリフの一例です。

  • 入店時:「いらっしゃいませ。何名様でいらっしゃいますか」
  • 満席時:「あいにく満席でございます」
  • 注文の確認:「ご注文を繰り返します」
  • 料理の提供:「お待たせいたしました。○○でございます」
  • 会計時:「伝票をお預かりいたします」
  • 見送り時:「ありがとうございました。またのご来店をお待ちしております」

満席時は、待ち時間の目安が分かる場合には伝え、お待ちいただく場所も案内してください。

会計時も、レジで支払うのか、席で精算するのかなど、自店の方法に合わせた案内を加えましょう。

基本のセリフに加えて、お客様からよく聞かれる質問への回答例も記載しておくと、実際の接客で確認する際に役立ちます。

開店前・閉店時・衛生管理のチェックリスト例

チェックリストには、実施日時、担当者、確認結果、異常があった場合の対応を記録する欄を設けます。

以下の項目例を、自店の作業手順や衛生管理計画に合わせて調整してください。

開店前

  • 冷蔵庫の庫内温度が衛生管理計画の基準内であることを確認した(庫内温度: ℃)
  • 当日の予定仕込み量と仕込み済みの数量を照合した
  • 調理台と床の清掃を済ませた

閉店時

  • レジ内の現金と売上記録を照合し、差額の有無を記録した
  • 火元を確認し、所定のガス栓を閉めた
  • 出入口と窓の施錠を確認した

衛生管理

  • 作業前や作業の切り替え時など、店で定めたタイミングで手を洗った
  • 使用した器具を所定の方法で洗浄・消毒した
  • 食材の期限と保管状態を確認したうえで、先入れ先出しで使用した

衛生管理の項目や記録欄を作る際は、厚生労働省が公開している小規模な一般飲食店向けの手引書も参考になります。

手洗いなど、営業中に繰り返し実施する作業は、1日の終わりにまとめて確認するのではなく、必要なタイミングで実施できるよう、確認方法や記録の付け方も決めておきましょう。

飲食店のマニュアルを現場で活用するポイント

仕事のポイントを説明する飲食店スタッフ

マニュアルは、必要なときにすぐ確認できるように共有し、メニューや作業手順の変更に応じて内容を更新する必要があります。

スタッフへの共有方法と、内容を見直す際のポイントを紹介します。

すぐ見られる形で共有する(紙・スマホ・アプリ)

紙のマニュアルは、厨房やレジ裏など、作業中にすぐ確認できる場所に置きましょう。

スマホやタブレットで共有する場合は、使用する端末やマニュアルの開き方をスタッフ全員に伝えてください。

マニュアル作成アプリなどを使い、文章と写真、動画をまとめて共有する方法もあります。

毎日使うチェックリストは紙、調理手順の動画はデジタルなど、業務に応じて使い分けると、作業に合った方法で確認できます。

共有する前に、紙の保管場所や端末での操作方法をスタッフと確かめ、必要な項目をすぐに探せるか確認しましょう。

定期的に見直してマニュアルを更新する

メニューの変更や設備の入れ替えがあった際は、関連する手順や注意点を見直しましょう。

クレームや作業ミスが発生した場合も、記載内容に不足がないか、実際の作業と食い違っていないかを確認してください。

定期的に内容を確認する担当者と時期を決め、更新日も記載します。

更新後は変更点をスタッフ全員に伝え、古いマニュアルや掲示物を差し替えましょう。

ただし、お客様の要望や店内の状況によっては、マニュアルどおりの対応が適さない場合もあります。

記載のない状況で判断に迷った際は、無理に手順を当てはめず、責任者に相談してください。

特に、アレルギーへの対応や返金など、健康や金銭に関わる判断は、責任者への確認が必要な内容と引き継ぎ手順を決め、スタッフ間で共有しておきましょう。

飲食店のオペレーションマニュアルは現場に合わせて作成し、見直しを続けよう

厨房で打ち合わせる調理スタッフ

オペレーションマニュアルは、接客や調理、店舗運営の手順をスタッフ間で共有し、新人教育や業務の引き継ぎに活用できます。

記載する内容は、自店のメニューや設備、営業方法に合わせ、写真や数値を使いながら具体的に示しましょう。

作成後は、スタッフが必要なときに確認できる形で共有し、現場での意見や作業手順の変更を反映して、内容を更新してください。

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山内芳輝

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