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飲食店の原価率が上がる理由は?原因の調べ方と利益改善のポイントを解説

飲食店の原価率が上がる理由は?原因の調べ方と利益改善のポイントを解説|飲食メディア

目次

飲食店の原価率が上がる原因は、仕入価格の高騰だけではありません。

食材の使いすぎや廃棄の増加、値引きのほか、売れるメニューの変化や在庫の計上ミスなど、理由はさまざまです。

原価率が上がったときは、計算の前提と店舗の実態を照らし合わせ、何が数字に影響したのかを切り分けましょう。

この記事では、飲食店の原価率が上がる主な理由や原因の調べ方、利益を改善するための方法を解説します。

飲食店の原価率とは?計算方法と確認するときのポイント

電卓を持つ飲食店スタッフ

原価率は、売上高に占める売上原価の割合で、売上原価÷売上高×100で計算します。この記事で扱う原価の対象は、料理やドリンクに使う食材費です。

月間の売上原価は、月初在庫額+当月仕入額-月末在庫額で算出します。計算例として、月初在庫額20万円、当月仕入額100万円、月末在庫額30万円なら、売上原価は90万円です。月間売上高が300万円の場合、原価率は30%になります。

粗利益は売上高から売上原価を差し引いた金額で、この例では210万円です。ここから人件費や家賃などを支払うため、粗利益の全額が店舗に残る利益ではありません。

参考:ユビレジ|棚卸しと原価率の計算方法

理論原価と実際原価の違い

理論原価は、レシピで決めた食材の使用量と単価から求める計算上の原価です。

一皿あたりの理論原価に各商品の販売数を掛け、その金額を合計すると、店舗全体の理論原価を算出できます。

下処理で取り除く部分がある食材は、標準的な歩留まりも計算に含めます。

実際原価は、月初在庫額と当月仕入額の合計から月末在庫額を差し引いたものです。

販売した料理の食材費に加え、廃棄や無償提供などに使った食材も含まれます。

両者の差は、レシピどおりに使った場合と実際の消費とのずれを調べる手がかりになります。

ただし、差額をすべて無駄と決めつけず、仕入単価の更新漏れや集計ミスも含めて原因を切り分けましょう。

月次原価と商品別原価の違い

月次原価は、1ヶ月間の仕入額と月初・月末の在庫額から算出し、店舗全体でかかった原価を把握するものです。

一方、商品別原価は、メニューごとのレシピをもとに、一皿を作るための食材費を求めます。

月次原価率が上がっていても、すべての商品で原価が上がったとは限りません。

商品ごとの原価率が変わらなくても、原価率の高い商品が売上に占める割合が増えれば、店舗全体の原価率は上がります。

また、翌月に使う食材をまとめて仕入れた場合、その分が月末在庫に残っていれば、当月の売上原価には含まれません。

仕入額をそのまま売上高で割ると、月次原価率を見誤るため注意が必要です。

全体の変化は月次原価で捉え、個々のメニューを見直す際は商品別原価を使いましょう。

飲食店の原価率が上がる主な6つの理由

パソコンを前に悩む飲食店スタッフ2人

飲食店の原価率は、仕入価格の上昇だけでなく、食材の使用量や廃棄、値引き、売れるメニューの変化などによっても上がることがあります。

飲食店の原価率が上がる主な6つの理由を解説します。

1.食材の仕入価格が上昇した

肉や魚、油、米などの仕入単価が上がると、同じレシピでも一皿あたりの食材費が増えます。

販売価格を据え置いていれば、その商品の原価率が上がるため、仕入価格の変化をレシピ原価へ反映する必要があります。

値上がりを調べる際は、納品書の金額だけでなく、内容量や規格も見比べましょう。

1袋の価格が同じでも内容量が減っていれば、1グラムあたりの単価は上がっています。

ケース単位と個数単位を混ぜず、比較する単位をそろえることも欠かせません。

優先して調べたいのは、値上がり幅が大きい食材と、使用量の多い主要食材です。

少額の値上がりでも販売数が多ければ影響が積み重なるため、使用量を掛けて負担の大きさを把握し、価格や仕入条件を見直す判断材料にします。

2.一皿あたりの食材の使用量が増えた

盛り付ける人によって量に差がある場合や、目分量で調理している場合は、一皿あたりの食材使用量が増えることがあります。

主材料だけでなく、付け合わせやソース、ドレッシングなども、少しずつ多く使えば原価を押し上げます。

食材のうち料理に使える割合を示す歩留まりにも注意が必要です。

仕入れた肉の脂や魚の骨を取り除く量が想定より多ければ、同じ提供量を確保するために必要な仕入量が増えます。規格変更や下処理の方法も調べる対象です。

計量するときは、仕込み前と下処理後、盛り付け時のどこで量が変わったのかを分けて記録しましょう。

レシピと実測値の差を追うことで、仕入規格を見直すべきか、盛り付けの基準をそろえるべきか判断しやすくなります。

3.廃棄が増えた

過剰発注や保管不良、仕込みすぎ、期限切れ、調理ミスなどで廃棄が増えると、売上につながらない食材費が発生します。

来客が予想より少なかった日にも普段どおりに仕込んでいると、使い切れない食材が増える可能性があります。

廃棄記録には、食材名と数量、発生日、理由を残しましょう。

数量に仕入単価を掛けて金額に換算すると、量は少なくても損失の大きい食材が見えてきます。

食材ごとの量だけではなく、金額でも比べることが改善の優先順位を決める手がかりです。

同じ食材でも、保管中の傷みと調理ミスでは必要な対策が異なります。

記録した理由を予約数や販売数、発注履歴と照合し、どの段階で余りや失敗が生じたのかを絞り込んでください。

4.原価率の高い商品が多く売れた

キャンペーンや季節によって、原価率の高い商品が売上に占める割合が増えると、店舗全体の原価率も上がることがあります。

原価率の低いドリンクの注文が減り、料理中心の売上構成に変わった場合も同じ考え方です。

この変化を調べるには、商品ごとの販売数だけでなく、売上高と売上全体に占める割合を見比べます。

高価格の商品は販売数が少なくても売上構成への影響が大きいため、販売数だけで判断すると変化を見落とすおそれがあります。

商品別原価が変わっていないのに店舗全体の原価率が上がった場合は、まず売れ筋の変化を疑いましょう。

前月と当月の商品別売上を並べ、どの商品の割合が増減したのかを捉えると、仕入単価の上昇や食材ロスとは分けて原因を整理できます。

5.値引き・クーポン・無償提供が増えた

店舗が負担する値引きやクーポンで販売価格が下がり、食材費が変わらなければ、その商品の原価率は上がります。

計算例として、食材原価300円、販売価格1,000円の商品は原価率30%ですが、900円に値引きすると約33.3%です。

一皿の粗利益も減ります。

販促の効果は利用件数だけで判断せず、値引き後の客単価や粗利益額、追加注文の有無を見てください。

外部事業者が値引き分を補填する場合は店舗負担の値引きと区別し、精算内容を確かめます。

また、料理やドリンクの無償提供には、売上がなくても食材費が必要です。

提供した品目と数量、理由を記録し、会計上の処理も含めて集計範囲をそろえることで、販売分との混同を防げます。

6.棚卸や計上の方法にずれがある

月末在庫の数え漏れや仕入れの二重入力、返品の未反映などがあると、実際の営業状況が変わっていなくても原価率が上がったように見える場合があります。

食材の消費による変化と、記録上の誤りによる変化は、分けて捉えましょう。

月末在庫額を少なく計上すると、売上原価の計算で差し引く金額が減るため、原価率は高く出ます。

開封済みの調味料や仕込み済みの食材など、数え漏れやすい在庫も棚卸表と照合しましょう。

重量・個数・ケースが混在する場合は、換算方法を統一します。納品書と仕入データ、返品伝票を同じ期間で突き合わせ、月をまたぐ納品がどちらの月に入っているかも点検してください。

数値が急変したときほど、現場の運用を変える前に集計の正確さを確かめることが重要です。

飲食店の原価率が上がった原因を確認する5つの手順

手のひらを向けて案内する和装の女性

原価率が上がった原因を調べるときは、仕入価格だけでなく、売上や在庫、商品ごとの原価などを順に確認します。

原価率が上がった原因を確認する5つの手順を解説します。

1.比較する期間と計算方法をそろえる

当月・前月・前年同月の数字を比較する前に、集計の締日と対象範囲をそろえます。

売上は月末まで、仕入れは請求書の締日までという集計では期間が一致しないため、同じ1ヶ月分に整理してから比べましょう。

税抜・税込の扱い、料理と飲料を含める範囲、棚卸に使う単位や評価の基準もそろえる必要があります。

担当者やシステムを変更した月は、以前と違う条件で集計していないか、元の帳票までさかのぼって点検してください。

準備ができたら、売上高、売上原価、粗利益額、原価率を同じ表に並べます。

営業日数やキャンペーンの有無も添え、数値が動いた背景を読み取る手がかりにしましょう。

比較条件を明確にしておけば、改善後の効果も同じ基準で検証できます。

2.原価への影響が大きい食材を確認する

仕入金額の大きい食材を中心に、単価と数量を分けて比較します。

単価が変わったのか、仕入れる量が増えたのかを分けると、価格交渉が必要な食材と、発注や使用量を調べたい食材を整理できます。

ただし、仕入数量が増えたことだけでは、その月の売上原価が増えたとは判断できません。

翌月分のまとめ買いで月末在庫も増えていれば、仕入額の増加分がそのまま当月の原価になるわけではないためです。

そこで、納品書の単価・数量に加え、月初と月末の在庫、販売数を並べて照合しましょう。

販売数に見合う消費の増加なのか、余分な使用や廃棄があるのかを調べます。

在庫として残る分と、使ったり廃棄したりした分を分けて捉えることが、対策を誤らないためのポイントです。

3.理論原価と実際原価の差を確認する

各商品の販売数に一食あたりの理論原価を掛け、その合計を同じ期間の店舗全体の実際原価と比較します。

共通食材を使い、商品ごとの使用実績を記録していない店舗では、まず店舗全体で差を捉える方法が実行しやすいでしょう。

差が大きい場合は、主要食材の使用量や廃棄、無償提供の記録を調べ、原因を絞り込みます。

その前に、理論原価へ最新の仕入単価やレシピの変更が反映されているかも点検してください。

古い単価では、値上がり分を食材ロスと取り違えるおそれがあります。

商品別に詳しく調べる段階では、実際に使った量や廃棄の記録が必要です。

仕入数量や棚卸数量の入力内容も点検すると、集計ミスによる数値のずれを見つけやすくなります。

4.営業中や仕込みの様子を確認する

帳票だけでは、盛り付け量のばらつきや食材の扱い方まで分かりません。

忙しい時間帯と落ち着いた時間帯、仕込み中と閉店前後など、作業の条件を変えて現場を見ると、記録に表れにくい違いを捉えられます。

たとえば、計量器を取りに行く手間があるため目分量になっていないか、食材を決めた量に小分けできているかを調べましょう。

保管場所が複数に分かれて古い在庫が見つけにくい、廃棄を記録する用紙が遠いといった環境上の問題も見直す対象です。

担当者個人の注意不足と決めつけず、手順と道具の配置を一緒に点検することが大切です。

実測した重量や作業中に困った場面を記録し、数字の変化と照合すると、レシピや動線のどこを改善すべきか具体化できます。

5.改善する内容の優先順位を決める

把握した原因のなかから、原価への影響が大きく、実施しやすい対策を優先します。

食材の使用量にばらつきがある場合は、余分な使用量に販売数と食材単価を掛け、どの程度の負担になっているかを概算すると判断材料になります。

改善項目ごとに、担当者と開始日、見る数値を決めておきましょう。

盛り付けの統一なら一皿の重量、仕込み量の調整なら廃棄量というように、対策と直接関係する数値を追うと、変化を捉えやすくなります。

複数の対策を同時に始めると効果を切り分けにくいため、実施内容を記録し、比較できる単位で進めてください。

原価が減っていても売上や品質が落ちていれば成功とはいえません。

試した結果を共有し、継続する対策と再調整する対策を分けます。

飲食店の原価率を改善し、利益を確保するための対策

料理を見ながら相談する飲食店スタッフ

原価率を改善するには、特定した原因に合わせて対策を選びます。

まずは、原因と調べる資料、最初に取り組む内容を以下の表で整理しましょう。

原因確認する資料最初の対策
仕入単価の上昇納品書・見積書・レシピ原価表価格・規格・仕入条件を比較し、必要に応じて売価を見直す
一皿の使用量の増加レシピ・計量記録計量と盛り付けの基準をそろえ、歩留まりを検証する
廃棄の増加廃棄記録・予約数・販売数発注量・仕込み量・納品頻度を見直す
売上構成の変化商品別売上・販売数セット・追加注文・メニュー構成を見直す
値引き・無償提供の増加POSデータ・提供記録適用条件と提供ルールを整理し、値引き後の粗利益を調べる
棚卸・集計のずれ棚卸表・納品書・返品伝票単位と集計期間をそろえ、入力ミスを修正する

仕入先や食材を変更する際は、価格と規格、最低発注量、配送頻度に加え、下処理の手間や歩留まりも比べます。代替食材は実際に試作し、一皿の提供量や仕込み時間まで含めて判断しましょう。

価格改定は、すべての商品を一律に値上げする方法だけではありません。最新の商品別原価と販売数、競合店の価格帯を踏まえ、価格を維持する商品と見直す商品を分けて考えます。セット内容や付け合わせの変更も選択肢です。

飲食店の原価管理に表計算やアプリを活用する方法

書類を見ながら相談する店内のスタッフ

原価管理では、表計算ソフトや専用アプリを使い、仕入単価や在庫、販売数、廃棄を記録する方法があります。

まずは、自店で何を集計したいのかを決め、必要な項目を整理しましょう。

表計算では、食材名・規格・単位・仕入単価を登録する表と、仕入れ・棚卸・廃棄の記録を分けると管理しやすくなります。

レシピ原価を計算する場合は、参照する単価と使用量の単位が一致しているかを点検してください。

複数店舗の集計やPOSの販売データとの連携が必要なら、専用アプリも選択肢です。

初期費用や月額料金だけでなく、対応端末、既存システムとの連携、データ出力、サポート内容を比較します。

高機能でも入力が続かなければ管理に生かせません。

無料体験がある場合は実際の納品書やレシピを登録し、入力担当者が無理なく使えるか、単価更新や入力ミスの修正を行いやすいかを試しましょう。

飲食店の原価率改善に関するよくある質問

カップを持って笑顔で並ぶ3人のスタッフ

仕入先の比較範囲や日々の集計頻度など、原価管理を続ける際に迷いやすい点を解説します。

仕入先は何社くらい比較すべきですか?

比較する仕入先の数に決まりはありません。

社数を増やすことを目的にせず、現在の条件と違いを判断できる候補を選びましょう。

まずは仕入金額が大きい食材や、品質・納品条件に課題がある食材から調べると、比較作業を絞り込めます。

見積もりを依頼するときは、規格や必要数量、希望する納品頻度をそろえます。

送料や最低発注量が異なると、提示された単価だけでは比べられません。

現在の仕入先にも同じ条件で相談し、変更した場合の負担と比べて判断してください。

候補を絞った後は、試作や少量の発注で品質と使い勝手を確かめます。

候補ごとに長所と不都合を整理し、価格、品質、供給の安定性のどれを優先するかを決めると、社数に迷わず選びやすくなります。

原価率は毎日計算するべきですか?

必ずしも、すべての食材を毎日棚卸して原価率を確定する必要はありません。

日々は仕入れや廃棄を記録し、月末に棚卸結果と売上を照合するなど、記録と集計の頻度を分けて決めると運用しやすくなります。

日次では、販売数や値引き、廃棄量、主要食材の使用量を追い、普段と違う動きがあれば早めに調べましょう。

レシピ原価と販売数から日々の理論原価を集計すれば、売れ筋の変化による影響も捉えられます。

ただし、日々の仕入額を売上高で割っただけの数値は、在庫の増減を反映した原価率とは区別してください。

月次では実際原価と理論原価を照合し、日々の記録から差の理由を探ります。

計算する頻度だけを増やすのではなく、変化に気づいて対策を実行できる運用を目指しましょう。

飲食店の原価率は原因に合わせて対策することが大切

店内で笑顔を見せるホールスタッフ2人

飲食店の原価率が上がったときは、仕入価格だけでなく、食材の使用量や廃棄、売上構成、値引き、棚卸・集計方法まで順に点検しましょう。

仕入額と売上原価を区別し、同じ期間・条件の数字を比べることが原因を捉える第一歩です。

原因が分かったら、影響の大きい項目から対策を試し、原価率と粗利益額、品質への影響を見ながら改善を続けてください。

原価管理を継続するには、記録や集計、改善を誰が担うのかも明確にする必要があります。

業務分担や教育を見直したうえで、店舗運営を担う人材採用を検討している場合は、飲食業界に特化したサービスを確認してみてください。

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山内芳輝

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