飲食店の売上を上げるには、広告や値上げを始める前に、売上が伸びない原因の確認が大切です。
客数が少ない、注文点数が少ない、再来店が少ないなど、店舗が抱える課題によって適した施策が異なるためです。
この記事では、売上アップを目指す15の施策を、客数・客単価・再来店の3つに分けて紹介します。
飲食店の売上を客数・客単価・来店頻度で確認する

飲食店の売上は、基本的に「売上=延べ客数×客単価」で確認できます。
延べ客数は、同じ顧客が3回来店した場合は3人と数え、客単価は同じ期間の売上を延べ客数で割った金額です。
集計する際は、対象期間や店舗、販売経路、税込・税抜の扱いをそろえましょう。
顧客を重複なく数えられる場合は、「売上=実顧客数×平均来店回数×1回当たりの客単価」でも確認できます。
平均来店回数は、同じ期間の延べ客数を実顧客数で割って求める数値です。
延べ客数には再来店が含まれているため、平均来店回数を重ねて掛けないよう注意してください。
月商が下がった場合は、まず集計漏れや営業日数の違いを確認し、客数と客単価の変化を調べます。
そのうえで、曜日・時間帯・商品・新規客と再来店客に分け、顧客の声や現場の状況から原因を確認しましょう。
飲食店の客数を増やす5つの施策

飲食店の客数を増やすには、来店前の情報発信だけでなく、店舗の入りやすさや集客方法も見直す必要があります。
客数の増加を目指す際に検討したい5つの施策を紹介します。
1.店舗情報を最新にする
Googleビジネスプロフィールや公式サイト、SNS、予約媒体に掲載している営業時間、定休日、住所、メニュー、価格帯を確認します。
通常営業の情報だけでなく、臨時休業、ラストオーダー、予約の受付時間も、顧客が誤解しないように表示します。
媒体ごとに情報が異なると、来店を見送ったり、問い合わせが増えたりする場合があるため、更新する担当者と、変更時に見直す媒体を決めておきましょう。
写真が古い場合は、現在の料理や入口、客席の様子が伝わるものへ差し替えます。
スマートフォンから店舗情報を検索し、予約まで実際に進むと、切れたリンクや分かりにくい案内を見つけやすくなります。
2.増やしたい顧客と利用場面を決める
客数を増やしたいときは、まず空席がある曜日と時間帯を確認します。
その時間帯に利用しやすい顧客を、近隣で働く人、買い物帰りの家族、一人で夕食を取る人など、利用場面から考えましょう。
年齢や性別だけで絞るのではなく、予算、食事に使える時間、同行者なども踏まえて、商品や案内内容を決めます。
たとえば平日ランチでは、価格に加えて、注文から料理が提供されるまでの時間や会計方法を分かりやすく案内すると、利用するか判断しやすくなります。
客席や厨房で対応できる人数も確認し、既存客の利用を妨げない範囲で受け入れ人数を決めることが大切です。
対象とする顧客が決まったら、店頭の案内や写真、メニュー、利用する媒体の説明内容をそろえます。
変更後は対象時間帯の客数を記録し、狙った利用が増えたのか、別の時間帯から移っただけなのかを店舗全体の売上とあわせて確認しましょう。
3.看板商品を伝える
看板商品は、初めて訪れる顧客が店や注文する料理を選ぶ際の参考になります。
よく売れる商品や店の強みが伝わる商品から候補を選び、写真、味の特徴、価格、量、提供する時間帯などを分かりやすく表示しましょう。
こだわりの一品などの表現だけでなく、料理の特徴やどのような場面で利用しやすいかを具体的に伝えることが大切です。
看板商品を選ぶ際は、人気だけでなく、一品当たりの原価や仕込み、提供にかかる時間も確認します。
注文が集中すると品質や提供時間に影響する商品は、仕込み方法や提供できる数量を確認したうえで案内してください。
4.店頭から入りやすい店舗にする
店頭では、通行する人の目線から、何の店か、価格帯、営業時間、入口の場所が分かるかを確認します。
店内では当然と思っている情報でも、初めて訪れる人には伝わっていない場合があります。
昼と夜の両方で外から確認し、照明や文字の読みやすさも確かめましょう。
入口が2階や路地の奥にある場合は、建物内の案内も確認します。
一人で利用しやすい席や、予約なしで利用できる時間帯がある場合は、実際の運用に合わせて案内してください。
看板や備品を設置する際は、通行や避難の妨げにならないよう注意しましょう。
5.効果を測定できる集客をおこなう
広告やSNSを始める前に、対象とする顧客、期間、予算、成果を判断する基準を決めます。
表示数やクリック数だけでなく、問い合わせ、予約、実際の来店も確認します。
成果を確認する際は、広告やSNS上の数値だけで判断せず、予約台帳や実際の来店数、顧客に確認した来店経路などもあわせて見ましょう。
複数の広告やSNSを使っている場合は、同じ顧客が重複して数えられていないかも確認してください。
費用は広告費だけでなく、撮影や運用を外注した費用なども含めて比較します。
実施後は、予約数や来店数に加えて、キャンセルの状況や利益も確認し、継続するか判断しましょう。
飲食店の客単価を上げる5つの施策

飲食店の客単価を上げるには、単純に価格を引き上げるだけでなく、注文内容やメニューの見せ方、接客方法などを見直す必要があります。
顧客の利用目的や予算に配慮しながら取り入れられる5つの施策を紹介します。
1.顧客の目的に合うセットを作る
セットメニューがあると、顧客は食事の内容や予算を決めやすくなります。
短時間のランチ、複数人で取り分ける夕食、会食など、利用目的に合う組み合わせを考えましょう。
セットを作る際は、利用目的に合った内容になっているかを確認し、料理の量や原価、仕込みの手間、提供順序なども踏まえて組み合わせを決めます。
客単価を上げることだけを目的に料理を追加すると、注文をためらったり、食べ残しが増えたりする場合があるため注意が必要です。
単品でも選べるようにすると、食事量や予算が異なる顧客にも対応しやすくなります。
販売後は、セットの注文数だけでなく、客単価や粗利益額も確認しましょう。
セットの注文が増えても、原価や作業量が増えることで利益が減る場合があるため、厨房の人員や業務量も踏まえて内容を見直すことが大切です。
2.サイズや追加メニュー、コースを選べるようにする
サイズや追加メニューを用意すると、顧客が食べたい量や予算に合わせて注文しやすくなります。
大盛りやトッピング、飲み物、デザートなど、既存の商品と組み合わせやすいものを選びましょう。
内容量や追加料金は、注文前に分かるように表示します。
一方で、選択肢を増やしすぎると、注文に時間がかかったり、調理手順が増えたりする場合があります。
注文履歴や顧客からの質問を確認し、希望が多いものから取り入れてください。
コースを作る場合は、人数や料理の内容、提供順序、所要時間などを分かりやすく案内します。
販売後は、追加注文の状況や客単価、原価、作業時間を確認し、利用されにくい選択肢や分かりにくい表示を見直しましょう。
3.メニューの見せ方を改善する
メニューは、顧客が料理を選びやすいように、必要な情報を分かりやすく伝えることが大切です。
商品名や価格だけでなく、量や味の特徴、取り分けできる人数、注文できる時間帯なども必要に応じて表示しましょう。
店として勧めたい商品は、写真や説明を使って見つけやすくします。
似た商品が多い場合は、価格や量などの違いが分かりやすいかを確認し、顧客が選びにくい場合は品ぞろえも見直しましょう。
4.価格を適切に見直す
価格を見直す際は、食材原価だけでなく、人件費、家賃、光熱費なども含めて、利益を確保できるか確認します。
そのうえで、料理の内容や接客、店舗の雰囲気、周辺店舗の価格帯などを踏まえ、顧客が納得して利用できる価格かを検討しましょう。
他店より安いことや、一定の原価率に収まることだけで価格を決めないことが大切です。
価格を変更する場合は、商品ごとの販売数や粗利益額を確認し、販売数が減った場合でも必要な利益を確保できるか確認します。
実施後は、客単価だけでなく、客数や商品構成、粗利益額の変化も確認し、価格変更の影響を見直しましょう。
5.接客で顧客に合う商品を提案する
接客では、人数や好み、食事量、予算などを確認すると、顧客に合った商品を提案しやすくなります。
取り分けやすい料理や追加メニューなど、希望に合う選択肢を分かりやすく案内しましょう。
スタッフには、料理の味や量、追加料金、提供順序、売り切れ情報など、提案に必要な情報を共有します。
販売後は追加注文の状況や客単価を確認し、顧客から質問が多い商品や案内方法を見直しましょう。
飲食店の再来店を増やす5つの施策

再来店を増やすには、料理や接客の質を保つだけでなく、次回利用しやすい仕組みを整えることも大切です。
店舗の利用体験や予約方法、情報発信の見直しなど、5つの施策を紹介します。
1.QSCを安定させる
QSCは、料理の品質、サービス、清潔さの3つの項目から店舗の状態を確認する方法です。
前回と料理の味や量が違う、注文が正しく通っていない、食器が汚れているなどの状態が続くと、再来店をためらう原因になります。
レシピや完成写真、注文の確認方法、清掃の基準などを決め、担当者や時間帯によって対応に差が出にくい状態を目指しましょう。
改善する際は、苦情や注文ミスの記録から繰り返している問題を確認し、対応方法や担当者を決めます。
その後、同じ不備が再発していないか、顧客から同様の指摘がないかを確認してください。
2.次回来店のきっかけを作る
再来店につなげるには、顧客が次に利用したいと思えるきっかけを用意します。
季節限定の商品、曜日限定の料理、別の時間帯のメニュー、まだ注文していない看板商品などから、店舗の特徴や顧客の利用場面に合う内容を案内しましょう。
案内する際は、提供期間や価格、予約の必要性など、来店前に確認したい情報を分かりやすく伝えます。
店内の案内とSNSやメールなどの配信を併用する場合は、掲載する内容をそろえてください。
3.予約や再注文の手続きを分かりやすくする
再来店につなげるため、予約先や注文方法は分かりやすく案内しましょう。
公式サイトや店頭から、電話や予約ページ、持ち帰りの注文先へ迷わず進めるかを確認します。
予約後の確認方法や、変更・キャンセル時の連絡先も分かりやすく表示してください。
電話だけでは忙しい時間帯に対応できない場合もあるため、店舗の人員体制に合った予約方法を用意しましょう。
4.再来店につながる情報を届ける
来店後も、新商品や営業日の変更、予約可能な時間など、次回の利用に役立つ情報を届けます。
顧客の連絡先を使って販促情報を配信する場合は、利用目的や配信に関するルールを確認しましょう。
予約のために受け取った連絡先を、そのまま販促に使わないよう注意してください。
メールなどの配信停止を希望した顧客には再送しないように管理し、配信内容や頻度も見直します。
実施後は、開封数やクリック数だけでなく、配信後の予約や来店の状況も確認してください。
5.クチコミや不満を店舗改善に活かす
クチコミや顧客からの不満は、料理、提供時間、接客、清潔さ、価格などに分けて確認します。
一件の意見だけですべてを変えるのではなく、同じ内容の指摘が続いている場合は、発生した時間帯や当時の業務状況を確認しましょう。
原因を確認する際は、スタッフ個人の対応だけでなく、手順や設備、情報共有、人員配置に問題がなかったかも見直します。
対応した後は、同じ指摘が続いていないかを確認してください。
返信する際は、顧客の個人情報や予約内容を公開しないよう注意しましょう。
課題別に見る飲食店の売上アップ施策の具体例

売上アップに必要な取り組みは、客数・客単価・再来店のどこに課題があるかによって異なります。
それぞれの課題に合わせて、施策を組み合わせる具体例を紹介します。
例1.平日ランチの客数を増やしたい場合
近隣で働く人から「昼休み中に食べ終わるか分からない」という声がある店舗を想定します。
注文から料理の提供、会計までの流れを確認し、どこで待ち時間が発生しているかを把握したうえで、必要な対応を検討しましょう。
例として、看板商品を絞って準備したり、店頭で価格や提供にかかる時間を案内したりする方法が考えられます。
会計のタイミングなどを変更する場合は、顧客への案内方法やスタッフの役割も決めてください。
例2.ディナーの客単価を上げたい場合
2人で来店する顧客が多く、大皿料理の量や組み合わせが分かりにくいため、注文数が少なくなっている店舗を想定します。
注文履歴や顧客からの質問を確認し、量や組み合わせの分かりにくさが注文に影響していないかを確かめましょう。
たとえば、2人で分けやすい料理の組み合わせや量の目安をメニューに表示し、必要に応じて小さいサイズを用意する方法があります。
新しいサイズや組み合わせを追加する場合は、追加料金を明示し、厨房の作業量が増えすぎないかも確認してください。
例3.再来店を増やしたい場合
初回利用の満足度は高いものの、次回の予約方法やほかのメニューが十分に知られていない店舗を想定します。
会計時に予約先やまだ注文していない商品を案内し、次回来店のきっかけを作りましょう。
季節限定の商品や別の時間帯のメニューなど、顧客の利用場面に合う情報を伝える方法があります。
複数の案内や特典を一度に勧めず、顧客が利用しやすい内容に絞ることが大切です。
飲食店の売上アップに関するよくある質問

飲食店の売上アップに関する、よくある質問を解説します。
最短で売上を上げる方法はありますか?
どの飲食店にも共通する、短期間で売上を上げる方法はありません。
まずは、営業時間や予約方法、店頭案内などに間違いや分かりにくい箇所がないか確認し、現在の来店や注文を妨げている原因があれば優先して改善しましょう。
そのうえで、客数・客単価・再来店のどこに課題があるかを確認し、自店に合う施策を選ぶことが大切です。
値引きは客数アップに有効ですか?
値引きが来店のきっかけになる場合はありますが、客数が増えても利益が増えるとは限りません。
通常価格で利用する予定だった顧客にも割引が適用されたり、特定の時間帯に注文が集中したりする場合があります。
値引きを実施する際は、対象商品や時間帯、期間、利用条件を決め、実施後の客数や利益を確認したうえで継続するか判断しましょう。
飲食店の売上アップは課題に合う施策を選ぶことが大切

飲食店の売上アップでは、客数・客単価・再来店のどこに課題があるかを確認し、自店に合う施策を選ぶことが大切です。
同じ施策でも、店舗の立地や客層、営業時間、人員体制によって効果や負担は異なります。
施策を実施した後は、売上だけでなく、客数や客単価、粗利益、現場の負担なども確認し、必要に応じて内容を見直しましょう。
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